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マイクロめっき法により作製した薄膜MIセンサ

 情報機器や計測・制御機器の急速な発展にともない小型・低コストで高感度・高速応答の磁気センサの要求がますます大きくなっている。 たとえば、コンピュータの外部記憶装置のハードディスク装置ではバルクタイプの誘導型磁気ヘッドから薄膜磁気ヘッド、磁気抵抗効果(MR)ヘッド、GMRヘッドと高性能化が進んできており、モータの回転センサであるロータリーエンコーダではマグネットリングの磁極数が多くなり従来用いられている磁気抵抗効果(MR)センサに代わり微弱な表面磁束を感度良く検出できる磁気センサが必要となってきている。 また、紙幣検査に用いることができる高感度磁気センサの需要も大きくなっている。 ところで、アモルファスワイヤの磁気インピーダンス効果(MI効果)を利用した高感度の磁気センサが毛利らにより開発されている。 アモルファスワイヤを用いたMIセンサは高感度・高分解能(10-6Oe;AC磁界)などの良好な磁気センサ特性を示している。 しかし、アモルファスワイヤを用いたMIセンサはバイアスコイルや負帰還コイルのためのワイヤ巻き線が必要であること、アモルファスワイヤと端子を接続するための半田付けに問題があるなど小型化、量産性、信頼性に限界がある。 一方、薄膜MIセンサは薄膜集積化技術を用いて作製されるため、小型化、量産性、信頼性にすぐれたMIセンサを作製するのに適している。 このため、外部磁界による軟磁性膜インピーダンスの変化を利用した薄膜MIセンサの開発がさかんに行われている。 また、我々はアモルファスワイヤを用いたMIセンサの問題点を解決するために、小型化、量産性、信頼性に優れ、製造コスト的に有利なマイクロめっき技術を用い、NiFe薄膜MI素子、薄膜バイアスコイル、薄膜負帰還コイルを組み合わせ集積化した薄膜MIセンサヘッドを開発してきた。 さらに、我々はNiFe薄膜MI素子、薄膜バイアスコイル、薄膜負帰還コイルを集積化した薄膜MIセンサヘッドを1チップ内に2本もつ構造の差動駆動型薄膜MIセンサヘッドを開発した。 本報告において、この薄膜MIセンサヘッドの構造、作製プロセスについて報告する。 また、薄膜MI素子の磁歪定数の大きさはMI素子の軟磁気特性、MI特性に関与し、磁気センサ特性の安定性に大きく影響する。 このため、NiFeめっき膜の組成を変えることにより磁歪定数を変化させ、その時のMI素子の軟磁気特性、MI特性を評価した。 さらに、この薄膜MIセンサヘッドを用い、CMOSによりパルス励磁回路を構成した差動検出型MIセンサ回路を組み合わせた磁気センサモジュールを作製し、その特性を評価したのであわせて報告する。
図

  電気学会、マグネティックス研究会、資料番号MAG-00-24、p79-84(2000)
  著者 : 高山昭夫、湯口昭代、梅原多美雄
  著作権者 : (社)電気学会